過去5世紀の間、マルロメはジロンドの歴史とともに歩んできました。そのブドウのテロワールの歴史は14世紀まで遡ります
16世紀に、当時、サン・マケールとローザンの領主であり、ボルドー議会議員をしていたエチエンヌ・ド・ロステギュイ・ド・ランクルが« Maison noble de Taste »を建てました。最も古いこのドメーヌの名残りはこの時代のものです。彼の兄のピエール・ドゥ・ランクルはラブールのバスク地方で魔女狩りを行ったことでよく知られています。
その後、200年間にわたりドメーヌのオーナーはランクル家でした。シャトーは1780年にマルロメ男爵の未亡人のキャトリン・ド・フォカードに譲渡されました。彼女の人柄がこの地に強い印象を与え、このドメーヌの名前となりました。
その後、1847年にシャトーはナポレオン三世帝政時代、国務院議長であったジャン・ド・フォカード、そしてパリ軍事総督であり、戦争大臣であった彼の異父兄のサン・アルノー元帥に譲渡されます。彼らは城の修復を建築家のビオレ・ル・デュックに依頼します。
1883年、伯爵夫人であったアデル・ド・トゥールズ・ロートレックがドメーヌを買い取ります。アンリの母の彼女は19世紀末当時に重要なマリア巡礼の地であり、彼女の従姉妹のパスカル夫人が住んでいたシャトー・ド・レスピドのあったヴェルドレという場所に心惹かれていました。
その後、シャトーに魅了されたヒュイン家が2013年に城を購入します。芸術と国の文化的遺産に情熱を注ぐヒュイン家の人たちは、マルロメをアンリ・ド・トゥールズ・ロートレックの作品と現代芸術を紹介する場所とすることにしました。
見学客を迎えるためにドメーヌは全面的に修復されました。文化遺産の保存、伝統の継承、そして歴史の考察という方針に則り、工事は行われました。
ジロンド南部、アントル・ドゥー・メール地方に位置するドメーヌは、その名前の通り、ドルドーニュとガロンヌという二つの川に挟まれています。サン・アンドレ・デュ・ボア・コミューンに位置するマルロメには、畑、森、ブドウ畑が広がり、いくつかの有名なグラン・シャトーがあります。
14世紀に作られた50ヘクタールの豊かな自然に囲まれたブドウ畑の中心に位置するシャトーは、その中央に矩形の大きな塔、両端に二つの丸い塔、そして広大な中庭を取り囲んでいる3つの翼棟により構成されています。
当時の建材を使い、建築法に従い、修復工事が行われ、トゥールズ・ロートレック家の住居が復元されました。東翼棟の2階には現代芸術の作品が展示されており、その1階は受付になっています。夏になると中庭は試飲と食事を楽しむ場所となり、サマーイベントが催されます。
マルロメ・ドメーヌの面積は57ヘクタール、そのうちの43ヘクタールはブドウ畑です。5世紀前から栽培されているブドウ畑はガロンヌ川の源流が発するピレネー峡谷から運ばれる粘土と砂利でできた沖積土という他には例のないテロワールの上に広がっています。近年、そのテロワールの持つ力を最大限引き出すため、ブドウ畑の土壌改良が行われました。それにより、土壌の微生物の活動が活性化され、ワインの品質が向上し、個性的なワインとなっています。
サン・テミリオン・ポムロール地区でもっとも多い赤ワインの品種メルロがドメーヌのワインの半分以上を占めており、その次にメドックのグラン・クリュで有名なカベルネ・ソービニョン、そして刺激的な味わいのマルベック種という順序で栽培されています。また、9ヘクタールの畑でソービニョン、セミリオン、およびわずかですがムスカデルが栽培され、ドライなボルドーの白ワインが作られています。
豊かなインスピレーションを持つブドウの醸造は、そのノウハウで他の有名ワインにも貢献した樽醸造ワインマスターのシャルル・エスタジェー氏に委ねられ、醸造技術者のブルーノ・ラコステ氏の協力も得て、ワイン醸造が行われています。
ボルドー・スーペリアという銘柄は多くの可能性を秘めています。その文化的遺産を意識するシャトー・マルロメは、ボルドーのグラン・クリュと同じテクニックを使い、細心の配慮をしつつ、常に良いワインを作ることを心がけています。
ドメーヌにはコンクールで受賞ワインの常連となっている4銘柄があります。
エスプリ・ド・マルロメ-AOCボルドー・スーペリア
エスプリ・ド・マルロメ-AOCボルドー・ブラン
エスプリ・ド・マルロメ-AOCボルドー・ロゼ
シャトー・マルロメ-AOCボルドー・スーペリア
トスカンの景観に広がる小さな谷の窪地にあるシャトー・マルロメに向かう糸杉の並木道の周りには古くから、シナノキ、マロニエ、レバノン・ヒマラヤスギ、ヤシといった様々な種類の木々が存在しています。北側には青やローズのアジサイが100年以上前から繁殖していますが、今年は新たに緑色のアジサイがその仲間入りしました。
8ヘクタールの森もあり、なだらかな傾斜が « Le Galouchey »の小川まで続いています。
こうした多様な植生はミツバチの好むところです。マルロメには19の巣箱が森の木々に囲まれた静かな空き地の中に置かれ、ミツバチが良質のハチミツを作るための最適な環境が作られています。
巣箱の世話は養蜂家Valérie Doussinに任されています。彼女は、養蜂業とそのノウハウを普及するための活動をするアキテーヌ養蜂家グループのメンバーです。Valérie Doussinは真のハチミツ専門家であり、またフランスでは珍しいロイヤルゼリーの生産者でもあります。
大変甘い味わい、繊細な香り、緑色がかった虹彩を持ち、ほぼ透明なハチミツです。その整腸作用はお子様向けです。
黄金色の色合いと栗と繊細なクローバーが程よく調和した香りを持つハチミツです。血行促進や傷の癒合を早める作用があり、オリゴ糖を豊富に含んでおり、また入眠を助けます。
ジロンドの丘に繁殖する、または森の下草の花々のハチミツです。このハチミツの色合いも黄金色であり、時間の経過とともに、濃密になります。咳き込みに効果のあるハチミツです。